Case

症例の紹介

2016.02.27

腹腔内潜在精巣(陰睾)

症例 ポメラニアン、3歳、オス
1歳を過ぎても片側の精巣下降が認められず、他院にて鼠径(そけい)にあると診断されていた。しかし、当院では鼠径部に精巣を確認できず、腹腔内の可能性を示唆し手術を実施。
精巣は、腹腔内に存在した。

※鼠径…内股のところ

ピンセット:腹腔内の精巣を引き出したところ

腹腔内潜在精巣(陰睾)

左側:腹腔内にあった精巣
腹腔内には、未発達の精巣がありました。陰嚢(いんのう)に下降していた正常な精巣と比較すると小さいのがわかります。

| 潜在精巣とは

性成熟の時期を過ぎても、陰嚢内に精巣が下降していない状態のこと。
片側だけでも陰嚢内にあれば精子は作ることができますが、潜在精巣は、遺伝病であるため繁殖はしない方が良いとされています。
潜在精巣は、正常犬に比較して腫瘍化するリスクが13倍になります。
その多くが悪性腫瘍であり、気付いた時には手遅れになるケースが多いのです。

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